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サムライチャンプルー

91点。

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時代劇×アニメ×HIPHOP=??

2004年のオリジナルアニメ。
あらすじや作品に関する逸話はWikipediaリンク参照のこと。

実に「おもしろい」アニメでした。
ここまで挑戦的なアニメは久しぶりでした。まず舞台は「時代劇」。勘違いしている人が多いけどこれは「江戸時代」が舞台ではありません。「時代劇」で演出される世界を舞台にしています。基本は。
偶然知り合った3人がとある目的のため旅をする、時には離れ時には共にする。個人的には小さい頃に見ていた時代劇「三匹が斬る!」にすごく近い匂いを感じます。その流れか、ザックザックと斬られます。けどその流れ、毎回のストーリー、実にうまいです。
そう、このアニメでの一番のウリは突拍子のない設定や舞台でもなく、かつての時代劇の面白さを現代的にアレンジした上で、更に作り手が「おもしろい」と思ったものを組み合わせたという奇跡です。絶妙なバランス加減。これこそがこの作品の最大の魅力だと思います。

もちろんよく言われる現代的な風刺を取り入れたネタであったり音楽、それ以外にも普通には「ありかよ」というツッコミがありそうなものはたくさんあります。けどすごいのはその混ぜ方のバランスです。この混ぜ方が絶妙でストーリーをきっちり閉めてくれています。このテイストは多分この時代の流れで今の2013年初頭では無理でしょう。個人的な好みがそこに集中するのもきっとその影響でしょうね。

もちろんツッコミ入れたいところもあるし、不満がないわけでもないですが、それ以上に素晴らしいくらいに「おもしろかった」作品でしたのでこの点数です。


たまこまーけっと

79点。

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我が名はデラ・モチマッヅィであるぞ!!

京都アニメーションによるオリジナルアニメ作品。2013年。
監督はけいおん!の人で、あらゆる意味で「京アニ」テイストが非常に強い作品。
映像は綺麗です。舞台となる街や商店街もいい雰囲気が出てると思います。細かいところに気がついているのもさすが京アニ、といったところでしょうか。個人的にはよく出てくる喫茶店が気に入りました。
キャラデザについては、まああの絵ですね、はい。個人的好みとしてはまさにどちらとも言えない、です。

オリジナルというわけでストーリーを注目したのですが、これは鳥アニメです。ただの鳥というわけではなくもちろんこのアニメの主人公(でしょ?)であるデラ・モチマッヅィです。全て美味しいところは持っていきます。餅も落ちも。デラちゃんが気に入れるかどうかでこの作品は大きく分かれるでしょう。
もちろん他にも色々なキャラクターでてきますが、彼以上のインパクトはないですね。私は気に入りました。
全体的な話の流れはゆったりで、中途半端な伏線はりがありましたがあまり効果なし。最後はああやっぱりねって感じで落ち着きました。よく言えば無難、悪く言っても無難、といったところですね。

あと、個人的には音楽がよかったなと思いました。OPやED、そして作中のポイントになる喫茶店での音楽などなど。ここには力が入っていたなと思います。プラスです。

以上、鳥アニメを楽しめたしお餅が美味しそうだったけど、展開はまあこんなもんか、というわけでこの点数です。


ビビッドレッド・オペレーション

69点。

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パンツアニメから太ももアニメに変化してた。

ストパンの高村和宏監督によるオリジナルアニメ。2013年公開。
うーん、どこからコメントしたものか。
映像にについては良かったと思います。背景とか登場人物とか綺麗でした。OPとか頭に残る良い曲だったと思います。このあたりはプラスポイントです。

しかし、「そのマヨネーズは本当に必要だったのか?」と問いたいです。最初は笑って流して「もしかしたら伏線なのか?w」と思ってましたが、ただのキャラ付けとしか判断出来ませんでした。野菜には塩でしょ、ふつー。自慢の家庭菜園ならマヨたっぷりかけるなよ。
伏線でも何でもないとわかったら本当に気持ち悪いだけでした。

そして、「この世界(設定)が結局よくわからない」のは厳しい。アローンという存在が何なのか結局分からないし複数世界を扱うならもうちょっと説明が必要だと思う。さらに示現エネルギーについても「なんかすごい便利なもの」という扱いで終わっていてそれが世界にエネルギー供給して戦争がなくなって、とか言ってるけどリアリティが全くない。どう考えても示現エネルギーを求めて争いが起こるの必死でしょ。外敵がいればまだ説明がつくかもしれないけどこの場合外敵はアローンでありアローンは一色博士が7年前に訴えていたけど誰も信じなかった、つまり外敵は居なかったことになるのですよ。
こういう構成のあらがあちこちで目立って仕方なかった。

また設定を覗いた上でもストーリーが単調。ネットでも「このパターン見たよね?どっかの魔法少女と似てね?」とか言われてたりしてたけど同意。自分の中では「プリキュアを深夜アニメにした感じ」でした。ちょうどしゃべるフェレットがいるしね。要するに「おもしろみがない」のです。

このように珍しく酷評しているのですが、徹底したこだわりが見えたとところもあります。
それは「太もも」です。高村和宏監督は異常なまでにこの下半身の描写にこだわるらしく、確かにこの作品でもこだわりの(不自然な)カメラワークが多々認められました。さすがストパン監督。
あと制服、どう見てもありえません。完全に趣味を卍解させるためのデザインです。その点の男気は感じますよ。
しかし忘れては行けない事実があります。
彼女たちは、「中学2年生」なのですよ。14歳なのですよ。

結局思いっきり批判しましたが最後の監督のこだわり及び熱い思いは伝わったのでこの点数です。


ガールズ&パンツァー

89点。

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戦車道は乙女の嗜みです。

オリジナルアニメで、1クールの予定が制作が遅れてしまい、残り2話を残してしばらく延期→放送となった。
まず舞台設定がなかなかにぶっ飛んでいて、第一話を見た時に「おいおい・・おいぃ!!」とツッコミ連発であった。
しかしこの舞台設定が実に面白く、それを受け入れると途端にストーリーに集中できるようになったのはポイント。そう、この作品のポイントは「戦車道」とか「乙女のたしなみ」とかじゃなく、いわゆる女子高生たちの熱い競技ドラマだった。この点について主要人物たちが個性的かつ魅力的に描かれているし、テンポのいい展開もプラス評価。西住さんかわいかったです、はい。最終回を見終わってちょっとほろっと来てしまった。

あとこの作品でよく語られるのが戦車に関する知識ですが、私はミリオタではないのでほとんどわかりません。ただティーガーとかドイツの電撃作戦とかは多少知っているので分かる範囲では楽しめました。てか登場人物が車両チラ見でツラツラと車両情報を述べている点に思わず笑った(最終話でセルフ突っ込みしてたりする)。

作風は非常に軽やかで重たい部分はなく、音楽も合わさってとてもいい気持ちで見れました。一歩間違えればバランスが崩れたり重たくなりそうな舞台をうまくまとめたのは水島努監督さすがだと思います。またこの作品をきっかけに大洗町がものすごい頑張っていたのをwebでよく目にしていただけに、応援したくなりました。

ただ、この作品最大の問題が「制作の遅れ」、そしてそこから波及して出てきたトラブル。
まずテレビ放送では、かなり映像の質が悪くなっている回もちらほら。正直「あぁ…」と言いたくなるほどの場面もあった。さらにつなぎとして総集編が(10話までに)2回も入ってる。そして挙句には最初に触れたとおり「最後の2話は3ヶ月後」という事態。
力を入れた結果という表現もできるかもしれないが、毎週テレビでの放送を楽しみにしていた自分としては無念。BD買えよといわれるかもしれないが、それでもこれはマイナス評価と言わざるを得ない。
それでも斬新な設定にスッキリとした楽しさを提供してくれたのでこの点数です。


PSYCHO-PASS

90点。

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犯罪係数326、執行対象です。

フジテレビ「ノイタミナ」のオリジナルアニメーション、ProductionI.G制作。
シビュラシステムが導入された未来世界が舞台。詳細は書けば書くほどネタバレになりそうなので割愛するけど、非常に面白い世界観が構築されてる。
「管理世界」というこれまででも色々な作品で出てきた題材を非常にオリジナリティ高く作り上げている。またこういう未来空想的世界観では異能・高度技術系のバトル物が中心となりがちだけどそれはほぼ皆無。あくまで世界設定や舞台はストーリー上の登場人物たちへの「制約」として機能し、結果書く人物の特徴や魅力を引き出している。

ストーリーとしては前半は比較的気楽(それでも重たい)に見れ、各登場人物の特徴や世界観を理解するのに効果的となっている。そしてその中から伏線が徐々に出てくるという展開。そして中盤の展開、世界の謎、最後の対決までと一気に描かれている。実に見応えのある物語。
なお虚淵玄がメインシナリオライターなので、容赦はありません。たとえ重要なポジションのキャラでさえもw

映像はさすがProductionI.G、クオリティ高いです。こういうストーリーにはProductionI.Gが向いているなぁと思ってます。
また映像もさることながら登場人物のデザインもかっこいい。天野明さんがキャラデザ原案ということで、男たちがかっこいいしお姉さまもすごいです。
ただメインヒロインが当初「うーん‥」と思っていたけど、最後まで見たらこういうデザインであることが理解できた。あれはゴージャスorセクシーなお姉さんでは絶対にダメだと思った。

そして個人的にプッシュしたいのは音楽。第1クールと第2クールでOP・EDともに変わったのだけど、4つとも非常にいい。OPの映像はストーリーと密接にリンクしているし、テンションがグイグイと上がってくる。そしてEDはEGOISTですごくいい。素晴らしい。

総合的に非常にレベルの高い、とてもおもしろい作品でした。私の中で2013冬アニメ文句なしのNo.1。
というわけでこの点数です。


ほしのこえ

80点。

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ここにいるよ。

新海誠監督のオリジナルアニメーション。
なんとこれが2作目で、さらに個人で作成とはすごいの一言。
設定は近未来、舞台は地球と宇宙。
テーマは「星に引き裂かれた恋人たち」。
技術や設定について突っ込みたいところはいくらでもあるけど、それらはメインテーマをはっきりさせるために必要だったことだと思う。
なのでテーマに集中するとかなり楽しめる作品だと思う。

新海誠監督はこういうテーマが多い気がするけど、切なさの表現が非常にうまいと思う。
ただどうしても突っ込みたくなる設定(ネタバレになるのでここでは隠す)がいくつかあるし、終わり方がちょっと好みではなかったのでこの点数です。


かみちゅ!

80点。

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かーみーちゅー!!

最初はテレビ版アニメ(12話)が放送され、DVDで4話追加。今回はテレビ版12話です。
なおこの作品はその後なんと鳴子ハナハル先生の絵でマンガ化されていて、私は先にそっちを見てました。

女子中学生が神様になるというすごい設定のアニメ。
そういえば最近やってた神様はじめましたも神様になるっていう設定だったな。あれは女子高生だったけど。
ストーリーはほのぼのとしているけど、中学生らしい恋愛が非常にほっこりとする。また「神様」という設定が目立ってしまうけどあくまで本質は女子中学生の恋のお話であるのは間違いない。
それを忘れずにちゃんと構成したのは非常に好感が持てた。
けどその分引きつけるためのインパクトは少なめ。だから何処かで物足りなさも味わってしまう。

映像についてはちょっと雑なところも目立ったかな。どうも制作に追われていたみたいで、仕方ないのかなぁ。あと舞台は(公式発表ではないけど)広島県尾道市。この町(とその辺り一帯)はよく映画やアニメなどよく舞台になるね。確かに風景になる町だと思う。

まあストーリーは十分楽しめたしほっこりできたしというわけでこの点数です。


秒速5センチメートル

91点。

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「いつでも探しているよ、どっかに君の姿を」

新海誠監督の有名作品。
2007年公開。

以前DVDをレンタルして見たときは本当に切なかった。
そして改めて見たらまた泣けてきた。
主人公の心理描写がすごくて、すごく切なくなる。
ものすごくきれいにまとまっているし、そしてテーマソングがこの作品にとてもマッチしている。
映像もいいし、キャラの顔も個人的には好き。
内容を語ると激しくネタバレになるので話せないが、まだ見ていない人はぜひ見てほしいと強く主張したい。

文句なしの90点以上で、過去の他作品の評価から相対的に評価してこの点数です。


地獄少女

85点。

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2クールのオリジナルアニメ。
人を呪わば穴二つ。

非常に面白かった。
前半はお約束パターンを展開して決め台詞など定着させる。後半では物語の核心に踏み込んで謎が明かされていく。非常に見応えがあった。

まず、いいセリフがたくさん登場する。
一番はやはり「いっぺん、死んでみる?」ですな。閻魔あいに言われるとぞくぞくします、はい。
他にも「この恨み、地獄に流します」とか。けどこの台詞は終盤に意味を持つことになるとは。

次に出てくるクズがホントにクズ。
ああホントにクズだなぁと思える人物がどんどん出てきてターゲットになる。これ必要なことなのだろうけど。

あと音楽もよかった。
OPとかよくマッチしてたと思う。アニメで音楽はとっても重要ですから。

このようにおもいっきりほめてますが、放送回によっては絵が雑になってることがある。あと脚本も。これは痛い。

しかし全体として高評価には代わりなく、この点数です。


アジール・セッション

65点。

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一話もの。
dマーケットのアニメストアで見かけて気になったので見てみた。

いわゆる「クリエーター」というタイプを自認する者が多くのパターンで「これがCOOLだ」と考えてしまう内容となっている。要するに一周してありきたりな流れ。

ストーリーやキャラクター設定は平均的。狙ってるんだろうなぁというのが随所に感じられる。微妙。

そしてCGをゴリゴリ使っている。3D使わなきゃもっとよかったのになぁ。

まあそもそもの期待値はかなり低かったのでその反動でこの点数です。